エンコーディングとは?
→ 刺激に関する知識を用いて特定のROIのBOLD反応を予測すること。
BOLD⟵EncodingStimulus
エンコーディングには次のような特徴があります。
- 特定の属性に敏感な領域を特定できる
- 認知過程・神経活動の仮説を検証できる。
- Computational Neuroscience, model-based fMRI
BOLD⟵CognitionStimulus
1. ボクセルベースのエンコーディング
基本的なモデルは、線形エンコーディングモデルです。
線形エンコーディングモデル:刺激をいくつかのチャンネルに分け、それぞれフィルターをかけて表現を得て、それらを線形結合することでBOLD信号が生成する。パラメータ推定はGLMと同様に行える。
BOLD⟵LinearRepresent⟵FilterStimulus
例)
yk(Si)=j=1∑Ncwjklog[Fj(Si)+1]+w0+εi
yk(Si)=j=1∑Ncwjkϕj(Si)+w0+εi
Encoding Model は、チャンネルの応答という仮定を利用して、刺激に選択的な脳領域を同定するのにも使えます。また、認知システムの階層構造や成り立ちを推測できます。
2. デコーディングへの反転
デコーディングモデルには次のような利点があるため、デコーディングモデルに変換して考察することも度々行われています。
- パフォーマンスを直接比較できる。
- マインドリーディングという観点でみれる。
f(Xtrain) と f(Xtest) で重みが共通と仮定して、Xtest を推定することができます。ただし、行列の反転は、仮定したノイズに影響されるので気を付ける必要があります。
X^test=f−1(Ytest)
3. モデルベースのエンコーディング
fMRIデータに対する、行動データの計算論モデルの有効性を検証します。
例)
次のような手順で、行動データとfMRIデータの対応付けをします。
- 行動データに計算論モデルをフィッティング。
- モデルのパラメータをいくつか選択し、fMRIデータに回帰させる。
- 回帰係数から、行動に有意に相関している脳領域を同定する。
4. 計算論的認知神経科学
行動データ無しで、認知モデリングを行います。つまり、人工的な神経回路網をモデル化します。
神経回路のパラメータは、fMRIデータからは推定できません。しかし、経験的なパラメータを用いることで神経回路モデルを設計し、それによりBOLD反応を生成することで、相関法などから妥当性を検証できます。
Reference
- Ashby, F. G. (2019). Statistical analysis of fMRI data. MIT press. url
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- O'Doherty, J., Dayan, P., Schultz, J., Deichmann, R., Friston, K., & Dolan, R. J. (2004). Dissociable roles of ventral and dorsal striatum in instrumental conditioning. science, 304(5669), 452-454. url